モルガンダラーコレクションにおいて、1889年は特別な位置を占める年です。フィラデルフィア・ニューオーリンズ・サンフランシスコの3ミントでは大量発行が行われた一方、カーソンシティ(CC)ミントでは893枚という驚異的な少数発行となり、1889-CCはシリーズ最大のキーデートの一つとして現代の市場で伝説的な地位を持っています。本記事では、この一年を切り口にモルガンダラーの価値決定要因を分析します。
1889年の各ミント発行枚数
1889年のモルガンダラーの発行状況を見ると、ミント間の格差が際立っています。フィラデルフィア(P): 21,726,811枚(大量発行、普及コイン)。ニューオーリンズ(O): 11,875,000枚(同様に一般的)。サンフランシスコ(S): 700,000枚(やや少なく、高グレードでは希少)。カーソンシティ(CC): 350,000枚(極めて少なく、1889年の特異点)。この発行枚数の差が、市場価値の差として直接反映されています。
1889-CC — 最大のキーデート
1889-CCモルガンダラーはカーソンシティミント最終年の発行品です。この年の発行を最後に、カーソンシティ造幣局での銀貨鋳造は一時停止となりました。PCGSの人口報告書によれば、MS63以上の認定例は極めて少数(推定50枚未満)であり、MS65以上はほぼ存在しないとされています。このため1889-CCのMS63以上の品が市場に現れると、世界中のコレクターが注目する一大イベントとなります。流通品(VF〜EF圏)でも希少性が際立っており、EF45グレードのPCGS鑑定品でも相当の評価を受けます。
グレード別の価値構造
1889-CCの価値はグレードによって劇的に変化します。流通品(VG-F圏)は数十万円台から始まり、EF45では数百万円、MS60圏では1000万円を超える水準とされています(市場動向により変動)。一方、同年の1889-Pはコモンデートで、MS65でも数万円程度の一般的なコインです。この対比が、「同じ年号でもミントによって全く異なるコイン」というモルガンダラー収集の醍醐味を示しています。モルガンダラー完全ガイドで全年号の概観をご参照ください。
購入時の注意点と鑑定の重要性
1889-CCは改竄の対象となることが多いコインでもあります。一般的な1889-Pのミントマーク部分を改竄して「CC」に見せる偽造が過去に確認されています。このため、PCGS/NGC鑑定済みスラブ品以外の購入は、経験豊富な専門家のもとで行うべきです。グレーディング完全ガイドとPCGS vs NGC比較も合わせてご参照ください。希少コインの出品・落札についてはオークションページをご覧ください。
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